運行管理者試験対策【自動車の走行時に生じる諸現象】
運行管理者試験対策【実務上の知識及び能力】自動車の走行時に生じる諸現象
自動車の走行時に生じる諸現象① 雨天時の現象
ウェット・スキッド現象
雨の降りはじめに、路面の油や土砂などの微粒子が雨と混じって滑りやすい膜を形成するため、タイヤと路面との摩擦係数が低下し急ブレーキをかけたときなどにスリップすることをいう。 | |
これを防ぐため、雨の降りはじめには速度を落とし、車間距離を十分にとって、不用意な急ハンドルや急ブレーキを避けるよう運転者に対し指導する必要がある。 |
ハイドロプレーニング現象
路面が水でおおわれているときに高速で走行するとタイヤの排水作用が悪くなり、水上を滑走する状態になって操縦不能になることをいう。 | |
これを防ぐため、日頃よりスピードを抑えた走行に努めるべきことや、タイヤの空気圧及び溝の深さが適当であることを日常点検で確認することの重要性を、運転者に対し指導する必要がある。(H30②) |
自動車の走行時に生じる諸現象② 長い下り坂での現象
フェード現象
フット・ブレーキを使い過ぎると、ブレーキ・ドラムやブレーキ・ライニングが摩擦のため過熱することにより、ドラムとライニングの間の摩擦力が低下し、ブレーキの効きが悪くなることをいう。 | |
これを防ぐため、長い下り坂などでは、エンジン・ブレーキ等を使用し、フット・ブレーキのみの使用を避けるよう運転者に対し指導する必要がある。 |
ベーパー・ロック現象
ベーパー・ロック現象とは、フット・ブレーキを使い過ぎると、ブレーキ・ドラムやブレーキ・ライニングなどが摩擦のため過熱してその熱がブレーキ液に伝わり、液内に気泡が発生することによりブレーキが正常に作用しなくなり効きが低下することをいう。 | |
これを防ぐため、長い下り坂などでは、エンジン・ブレーキ等を使用し、フット・ブレーキのみの使用を避けるよう運転者に対し指導する必要がある。(H30②) |
自動車の走行時に生じる諸現象③ 高速走行時の現象
スタンディング・ウェーブ現象
タイヤの空気圧不足で高速走行したとき、タイヤに波打ち現象が生じ、セパレーション(剥離)やコード切れ等が発生することをいう。 | |
これを防ぐため、タイヤの空気圧が適当であることを、日常点検で確認するよう運転者に対し指導する必要がある。 |
自動車の走行時に生じる諸現象④ 夜間走行時の現象
蒸発現象
自動車の夜間の走行時においては、自車のライトと対向車のライトで、道路の中央付近の歩行者や自転車が見えなくなることがあり、これを蒸発現象という。 | |
暗い道路で特に起こりやすいので、夜間の走行の際には十分注意するよう運転者に対し指導する必要がある。(H30②、R2Ⓒ) |
自動車の構造上の現象
クリープ現象
オートマチック車が、自動車の停止中にブレーキから足を離したときに、自動車がゆっくりと動き出す現象をいう。 |